金属バットの素振りで、マンションエントランスの数十万する、

大きな一枚ガラスを割ってしまったKくんは、その後、

「バットを思いっきり振り抜くことが出来ない」

と言うメンタル的なダメージを受け、イップスに陥ったのです。

 

数日間かけ、あらゆる書籍やサイトで私が出した答えを持って、

私は翌日曜日の練習終了後、Kくんと向き合いました。

 

多くの解決策はノートに書き溜めましたが、それを繰り返し読むうちに、

私自身少し難しく考えていることに、気がつきました。

 

そこで私は、一度Kくんに話すべきことをすべてリセットして、

「真実の言葉は単純である」と言う格言を胸に刻み、まず私は、

「イップス」についてわかりやすく話してあげて、Kくん自身が

「イップスであることを素直に伝えたのです。

Kくんにもそれを、認めてもらいました。

 

もちろん、イップス自体が悪いと言うことではなく、Kくんに何の非も

ないこと笑いながら話しました。

ただ、運が悪かったことと、イップスになったことは野球の神様が

与えてくれた試練だと話したのです。

 

その試練を乗り越える条件は、野球が好きだと言う気持ちを持ち続けること。

そして、思いっきりバットを振れなくてもいいから、仲間と楽しみながら

野球を、バッティング練習をやろう、と言う2点でした。

 

この2つを忘れなければ、イップスはいつか知らない間に治っているから、

そうKくんに、ゆっくり、言葉を選びつつ、諭したのです。

最後はKくんも笑顔になって、頭を下げて帰って行きました。

 

その経緯をご両親にも報告して、時間の経過を焦らず待ちましょう、と

お話しました。

 

万一それでもKくんのイップスが治らない時は、その時こそ専門医に、

相談しましょうともお伝えしました。

 

野球の場合のイップスとは、相手に申し訳ない、誰かに(チームメイト)

に迷惑がかかる、という心理的なプレッシャーから引き起こされることが

多いようです。

 

Kくんの場合も思い返せば、彼のガラス割り事件がチームメイトに知られ、

私やコーチから厳重に、素振りのTPOを注意したことで、

チームメイトにも迷惑をかけた、と言う心理も働いていたようです。

 

それからしばらく、私や多くのコーチがKくんのバッティング練習を、

見守り続けました。

3週目のバッティング練習では、フルスイングではなくても、Kくんの

バットから少しずつ快音も聞かれ出したのです。

 

そしてKくんのイップスが出始めてから約2か月半後の、10月下旬の

近隣大会でのことです。

2-6で敗戦濃厚な6回裏、ワンアウト2・3塁の場面で、Kくんの打順が

回ってきました。

 

サインを見ようとKくんはネクストサークルで、私を振り返りましたが、

私は「ノーサインだよ」と笑顔で声を掛け、打席に向かわせました。

 

仲間の声援を背に受けて、Kくんのバットは2-2から思いっきり

振り抜かれ、打球は春先の頃のような鋭い当たりとなって、

右中間を高々と破るホームランとなったのです。

………………

その後のKくんですが、まだイップスと闘っています。

場面場面で、フルスイングできる時とできない時があるようです。

 

それでもKくんは、野球の神さまが与えた試練を、きっと克服するはずです。

彼の無類の、野球好きの心がある限り…

 

PS、本日の3市合同大会で、Kくんは4打数2安打4打点と、

大活躍してくれました。

試合前に、仲間と侍ジャパンの話を夢中になって話していたKくん、

彼のイップスは完治間近です。

 

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