先日野球少年と筋トレの関係性について、
記事をアップしたところ、
ある親御さんから以下のようなメールを、
いただきました。
野球の練習前の長時間のランニング
「~中略~
まず練習開始前に30分のランニングをやらせています。
距離にすれば3~4㎞だと思います。
そして練習が終わってからまた同じように、
30分のランニングです。
ランニングの意味を聞くと監督やコーチたちは、
「とにかくスタミナをつけること」と答えます。
また選手たちには毎晩夕食前に30分のランニングを、
義務付けています、
(子供は嫌がっていますが)
これは僕も正しいと思う反面何か釈然としません。
伊能様はどのように感じますか?
スタミナは確かに必要ですが毎晩30分のランニングは、
子供にとってプラスになるものでしょうか? 」
野球と言うスポーツの枠にとらわれず、
子供の身体機能や運動能力だけを考えるなら、
ランニングがNGと言うことは絶対ありません。
長距離を走ることで心肺機能が向上しますから、
スタミナがつくことも確かですね。
さらにランニングを続けると、
身体免疫力がアップし風邪など引きにくい、
丈夫な体を作ってくれます。
ですからランニングそのものは、
子供だけではなく大人だって取り入れたい、
運動のひとつであることは間違いありません。
野球には向かない長距離走トレーニング
しかし、野球と言う競技の性質を考えれば、
ランニングによる練習法はあまりお勧めできません。
「科学する野球」の著者故・村上豊氏は プロ野球選手が、
一堂になってワッセワッセとランニングする光景を見て、
いみじくもこう言われています。
「野球選手は100M先のボールに追いつくためではなく、
10M先のボールをキャッチするために走るもの」
つまりは野球と言うスポーツは、
「瞬発力」を求められるものなんですね。
じつは筋肉を構成するのは筋繊維なんですが、
これは2種類あり、
その2種類の筋繊維が混ざり合って、
筋肉を構成しているんですね。
速筋(白筋)と遅筋(赤筋)の違いとは…
聞いたことがあると思いますが、
「速筋(そっきん)=白筋とも言います」と、
「遅筋(ちきん)=赤筋とも言います」です。
そして瞬発力を生み出すのは「速筋」なんですね。
「速筋」は瞬間的に大きな力を出せる瞬発性に優れた筋肉で、
短距離走やウエイトリフティングなどで「速筋」が、
必要とされます。
当然野球選手も守備の際に速い打球に、
すばやく追いつく必要がありますし、
走塁の場合でも瞬発力が要求されるわけです。
対して「遅筋」は大きな瞬発力は発揮できませんが、
長時間の運動を続ける時に必要とされます。
つまりマラソンランナーや陸上の中長距離選手、
長時間泳ぐような水泳選手などに必要とされます。
いわゆるスタミナとは「心肺機能」と関係しますが、
「遅筋」の存在とイコールと言うわけではありません。
では両者の特徴としてですが「速筋」の場合、
糖質をエネルギー源としていますが、
糖質は筋肉の中に少量しか存在せずさらには、
短時間の内に消耗してしまうんですね。
100M走を立て続けに10本も走れないことでも、
ご理解できると思います。
「速筋」は大きな瞬発的なパワーを長時間維持できず、
文字通りいざと言う時に力を発揮する筋肉なんですね。
「遅筋」は主に有酸素運動時に使われる筋肉ですが、
「遅筋」が使われることでより多くのエネルギーを、
生産できる筋肉になっていくと言われています。
つまりは長時間続ける運動の源になり、
マラソンのような2時間以上もの有酸素運動に、
対応してくれる、と言うことです。
ちなみに「速筋」は普段あまり使わることが
少ないのですが、
日常生活でよく使われるのは「遅筋」なんですね。
そして「遅筋」は全筋量の70%~80%を占めている、
と言われています。
野球少年に向いている、走るトレーニング法
そう言う意味では野球と言うスポーツは、
瞬発力が一番に要求されますから、
ピッチャーのスタミナ養成はまた別の話として、
「速筋」をより多く増やすことこそが、
一番のポイントになるのではないでしょうか?
ですから練習開始前の軽いアップや、
終了後のダウンで多少のランニング練習を、
取りれることはまったく問題ありませんが、
「遅筋」が育つような毎晩30分の ランニングの、
必要性などはまったくありません。
野球少年の場合でもスタミナをつける、
(心肺機能を高める)練習法としては、
「遅筋」が養われる長時間のランニングより、
「全力で走るベースランニング」を、
インターバルを入れながら3~5本程度行った方が、
はるかに意義がある、ということですね。
また「速筋」だけを本格的に鍛えたい、
と言う場合はウエイトトレーニングが、
有効と言われています。
つまりベンチプレスやバーベルスクワットなどです。
画像出典:http://www.hb-nippon.com/kanagawa/
瞬発的に大きな負荷を筋肉に与えることで、
「速筋」がバンバン鍛えられていきますが、
もちろん小学生には絶対お勧めしません。
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